国税庁は10月28日、21年路線価(同年7月1日公表)において1~6月上期の相続等に適用する補正を行わないと発表した。
今年7月1日に21年路線価が公表された際、「今後、年の途中で大幅に地価が下落した場合、20年路線価同様、
補正を行うことを検討する」と様子見の姿勢を示していたが、外部専門家による地価動向調査などの結果、
21年上期に大幅な地価下落をした地域は確認されなかった。
路線価等は、毎年1月1日時点の地地価評価である地価公示などを基に、時価の80%を目安に相続税等の基準額を設定している。
そのため、年内に大幅な地価変動が発生すると、路線価が時価を上回るケースが発生。
災害等により一定範囲著しい地価下落がみられた場合、租税特措法に基づく「調整率」を定めて路線価の減額を図っている。
20年路線価では、新型コロナ感染症の影響等による地価の大幅な下落を踏まえ、20年7~12月分の相続等に適用する路線価等の補正を実施した。
20年分1~6月に15%以上の最大地価下落地域があった都道府県は東京都(台東区浅草1丁目、16%マイナス)、
愛知県(名古屋市中区錦3丁目、19%マイナス)、大阪府(大阪市中央区宗右衛門町、19%マイナス)。
いずれも21年1~6月は下落幅が縮小し、最大地価下落率は東京都が5%マイナス(新宿区歌舞伎町1丁目)、
愛知県が3%マイナス(名古屋市中区栄3丁目)となった。
大阪府は10%マイナス(大阪市中央区宗右衛門町)で、全国で最も地価下落率が大きかった。
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同庁は補正が必要な大幅下落はなかったとしたうえで、「21年1~6月分では、このほかの商業地でも
比較的下落率は大きかった。20年7月豪雨で被害の大きかった熊本県球磨村も9%マイナスとなった」と、説明。
7~12月の路線価等の補正の要否は、「今後の地価動向の状況を踏まえ、改めて発表する」としている。
国税庁HP:財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
引用:国税庁HP、住宅新報web